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ランティアをして点数を預託しています。現在1ヶ月に1万2000時間のボランティアの時間のやりとりをしています。
どのようなプログラムがあるかと言いますと、送迎、自分たちのタイムダラーの点数で経営しているデイケア、保育園のお手伝い、話し相手、ペットのお世話、洋服の修理、ユースクラブのお手伝い、食事サービス、食事の配達、それから数々の支援。これは税金を払うときの書類の書き方や、マイアミに多いキューバ人のための翻訳のお手伝いなどです。他にも諸々のサービスをしています。
現在のところ、マイアミでのディレクターは私、アナ・ミヤレス1名、プロジェクト・コーディネーター1名、現場でいろいろな指示をするフィールド・スーパーバイザーが2名、それからVlSTA(ビスタ)という国のボランティア援助協議会から派遣され、そこから給料をもらっているボランティアが12名、各地区の現場でボランティアとして働いている無償のボランティアリーダーが72名おります。
●タイムダラーはボランティア・企業・行政をつなぐシステム
私たちの協議会のなかには企業・行政関係の方も入っていまして、このように他の分野の専門家の人たちと積極的に協働することで、タテ割りでない横につながったパートナーシップとして機能できるグループになっています。今回、“自治体とのパートナーシップ形成のために”というテーマで各地を回り気がついたことは、行政は限られた予算の中でサービスをしており、常に公平でなければいけないという立場があります、そのため、1人ひとりの住民の二一ズにあった仕事が十分にできないという、行政側の嘆きも聞いてきました。行政が対応できない住民の二一ズを埋めていけるのがボランティアの力ではないでしょうか。
このタイムダラーでお互いに才能を交換し合うシステムの中では、利用する人・与える人の区別がありません。私たちはボランティアを利用される側、一合まで依存者であった人たちにも、「お手伝いしましょうか」と誘うだけではなくて、「何か私たちにもしていただけることはありませんか」というふうに、ボランティアとして協力していただけるようにお誘いをします。つまり依存者であった人たちも協働できる生産者になれるというシステムをとっております。
利用者が協働して生産していくことで、コミュニティの再構築への道が開けます。仙台にもいろいろなボランティアグループがあると思いますが、とかくボランティアグループは、アメリカでも排他的で、自分たちだけでいいことをしているという思いがあり、一緒に何かをしようという気運がありません。しかしタイムダラーのシステムを取り入れることによって、バラバラに活動しているグループが協働し、社会を変えていくことも可能になります。
●21世紀に向かってボランティア・ネットワークを広げよう
あと4年で新しい世紀、21世紀に入ります。今、私たちはとても大事な時期にいると思うのですが、20世紀に私たちが起こした間違いを繰り返したくはありません。そのた

 

 

 

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